えのすぱ
  

ウォーターパールショー
プログラム内『珊瑚礁幻想』コンセプト

浅く穏やかな南アジアの珊瑚の海。様々な生き物の暮らすその海の1日は、夜明けを告げるアジサシの一声からはじまる。「朝まずめ」の沖合いでは、小魚の群れに、水中では、鰹や鮪が突進し、空中からは、カツオドリがダイブする。一転、穏やかな午前の浅瀬では、極彩色に輝く小魚達が珊瑚の合間の白砂の広場で戯れている。午後の「上げ潮」に乗り、リーフエッジの外の深場には、バラクーダやマンタなどの大型魚の群れが現れる。稲光を伴う激しいスコールが通り過ぎると、モンスーン気候帯特有の壮麗なサンセットが、1日の半分の終りを彩る。明るい日中、珊瑚の陰に身を隠していた、臆病な生き物達にとっては、この日暮れが、1日の始まり。夜光虫を始めとした、各種の発光プランクトンは、まるで色とりどりの宝石のように、空を舞い踊る。満月の晩などに、時折訪れる、深海からの、珍しいゲスト達も、多くが光の飾りを身に纏う。美しくも、幻想的な、それらの煌めきも、明けの明星の蒼い光が、海中に射して来る頃には、何処へとも無く消え去る。青暗く単色の海底から水面に近づくにつれ、太陽の光のスペクトルの幅が広がる。水面に浮上すると、頭上には、アジサシが一羽、イワシの群を見付けたか、新たな1日を告げる一声を上げた。